変化の向きは簡単に言えます。同意は、あるものとして前提にされるものから、文書に残し、範囲を区切り、撤回できるようにしなければならないものになりました。かつては署名の瞬間に片が付いたものとして扱われていた合意が、いまでは何に合意したのか、誰が合意したのか、いつ説明を受けたのか、どうすればやめられるのかを示せる記録として扱われます。
この転換は、業界が自らの書類を書き直したから起きたのではありません。文書化されない合意がもたらす結果が業界の外から見えるようになったから、そして——公開に伴う法的な責任を負う——配信側が、作品を受け入れる条件として証拠を求めはじめたから起きたのです。
古いやり方では、出演の契約はどんなものだったのか?
古いやり方では、書類は薄く、範囲は開いたままでした。
要点はこうです。契約は短く、制作会社と直接ではなく事務所を通じて交わされることが多く、その条件が定めていたのは撮影のことであって、出来上がった作品の一生ではありませんでした。映像さえ存在してしまえば、そのあと何が起きるか——どの形式で出るのか、どの地域で売られるのか、総集編に再編集されるのか、どれだけ長く販売され続けるのか——は、出演者が具体的に承諾した何かではなく、販売元の商業的な判断に委ねられていました。
これを脆いものにしていた構造的な特徴が2つあります。1つは、出演者と制作会社のあいだに事務所が入るため、署名する人と交渉した人が別、ということが珍しくなかったこと。もう1つは、作品の価値には期限がないことです。1枚の契約書のもとで撮られた映像は、何十年後でも許諾に出せます。そのときの条件を、誰も読み返さないままにです。
いまの適正な契約は、何を定めているのか?
いまの契約は、一度きりの許諾ではなく、範囲と撤回可能性を軸に組み立てられています。
| 観点 | 古い実務 | 現在の方向 |
|---|---|---|
| 同意の形式 | 口頭、または最小限の書面 | 書面。条件を説明した日時の記録つき |
| 本人と年齢 | 確認しても非公式。しないことも | 撮影前に書類で確認し、記録を保管 |
| 利用の範囲 | 撮ってしまえば無制限 | 形式・地域・期間を列挙 |
| 時期 | 撮影日の間際に署名 | 署名の前に説明の期間が必要 |
| 撤回 | 想定されていない | 公開の前後に定められた期間 |
| 二次許諾 | 販売元の裁量 | 個別の承諾、または契約上の制限 |
| 義務を負うのは誰か | 制作会社 | 制作会社、事務所、配信側 |
業界の振る舞いをいちばん速く変えたのは、最後の行です。制作側だけに付く義務は、事業のコストとして呑み込めます。配信側に付く義務は、その配信側が棚に何を置くかを変え、そこを通して売るすべての制作側に届きます。
熟慮期間や撤回期間があるのはなぜか?
撮影日が押さえられているという圧力のもとで一度与えられた同意は、公開後まで持ちこたえる同意の代わりにはならないからです。
仕組みは道徳的なものではなく手続き的なものです。署名と撮影のあいだ、そして撮影と公開のあいだに一定の期間を挟むことで、合意がなされた部屋の外で考え直す時間を本人に与えます。同時に、日付の入った書類の跡が残ります。期間が守られたならその記録があり、守られなかったなら、その不在自体が証拠になります。
日本では、この期間は業界の取り決めではなく法律で定められています。2022年の法律——内閣府が英語で Act on the Prevention and the Remedy of Harm Associated with Performing in Sexually Explicit Video Productions と訳しているもの、2022年法律第78号——は、出演者が契約書面を受け取った日と説明書面を受け取った日のうち遅いほうから1か月を経過するまで撮影を禁じ、すべての撮影が終わった日から4か月を経過するまで公表を禁じています。あわせて、理由を示すことなく書面で行使できる、申込みの撤回または契約の解除の権利を出演者に与えており、これは公表から1年間行使できます。この法律についての案内は、内閣府男女共同参画局が公開しています。
古い記事を読むときに効いてくる但し書きが2つあります。この待機期間は、当事者が取引で外せる契約上の初期設定ではなく、制作者と公表者に対する禁止として組み立てられています。もう1つ、経過措置により、法の施行後2年のあいだに結ばれた契約については公表後の撤回期間が2年とされていました。その期間はすでに閉じているので、現在当てはまるのは1年のほうです。
出典:2022年法律第78号、e-Gov 法令検索。内閣府男女共同参画局の案内ページ。2026-08-03 確認。
年齢と本人確認は、誰が何を使って行うのか?
確認の責任は公表の法的責任を負う側にあり、実務としては制作会社が確認し、配信側がその確認を検証する、という形になります。
機能する基準は書類によるものです。公的機関が発行した本人確認書類を撮影前に確認して記録し、契約書とともに保管し、求めがあれば配信側に示せるようにしておくこと。これを実効的にしているのは書類そのものではなく、保管の義務のほうです。記録の残らない確認は検証できませんし、検証できない確認は、事実上確認しなかったのと同じです。
第三者の関与がいちばん効いてくるのもここです。募集する事務所、撮影する制作会社、販売する配信側は、それぞれ動機が違います。そのうち1者だけが行う確認より、少なくとも2者に責任を問える確認のほうが強いのです。
再販に個別の承諾が要るのはなぜか?
再販は新たな公表という行為であり、元の契約はいまとは違う流通の世界を前提に書かれていたからです。
作品が刷り部数のある物理的な商品だった時代に署名された契約が、同じ映像を無期限に配信すること、見放題のカタログに束ねること、総集編に再編集すること、海外のプラットフォームに許諾することまで当然に含んでいるとは言えません。それらを最初の署名で片付いたものとして扱うのは、実際に説明された範囲を超えて同意を引き伸ばすことです。
いまの方向は、列挙することです。契約が形式・地域・期間を挙げているなら、その一覧の外にあるものには新たな承諾が要ります。それは同時に、何年も前に閉じてしまった1回きりではなく、繰り返し訪れる判断の機会を出演者に与えることでもあります。
実際にこれを守らせているのは誰か?
履行の確保は層をなしており、どの層も問題の全体を覆ってはいません。
| 層 | 届く範囲 | 届かなくなるところ |
|---|---|---|
| 法律 | 日本国内で活動する制作者と配信者 | 他の法域で再ホストされた複製 |
| 業界団体 | 加盟メーカーとその作品 | 非加盟や非公式の制作 |
| 配信側の方針 | その配信側を通じて売られるものすべて | 一度も許諾を受けたことのないサイト |
| 契約の条件 | 署名した当事者とその許諾先 | 許諾の連鎖の外にいる者すべて |
解決しない事案の多くは、3行目と4行目のあいだにあります。ある作品を出どころで適法に引き上げても、いかなる契約の当事者でもなかったアグリゲーターのサイトには残り続ける、ということが起こります。出どころでの削除は法的な行為です。それ以外のあらゆる場所での削除は、完了日のない継続的な運用作業です。
いまだ解決していないのは何か?
解決していないのは同意の定義ではなく、履行の届く範囲です。
定義の作業はおおむね決着しています。同意は説明を受けたうえでのもので、文書に残り、範囲が区切られ、撤回できるべきである——いまこれに公然と異を唱える者は業界にいません。難しいまま残っているのは、インターネットの複製という振る舞いが、誰が何に署名したかにまるで無関心だということです。販売元に対しては完全に効く撤回も、すでに起きてしまった流通に対しては部分的にしか効かないことがありますし、その隙間を埋める手段は遅く、法域に縛られ、不完全です。
この主題を解決済みのものとして描く説明はどれも、書類のことを語っているのであって、結果のことを語ってはいません。